残りは幾つも無い、アメリカ系を外すと後はデッカとエラックである。
AKGなどもあって古いタイプを絶賛する人も多いが、針交換に苦労しそうなのでこれも外した。
滅茶苦茶に高値をふっかけられたり、音が変わったり、基本的に針の摩耗を心配しながら聴くのは嫌だから、二度と出ないビンテージ物には手を出さない事にして いる。もう少しジジイになってこっちの寿命の方が短いと予測できるようになればAKGも聴いてみようが。尤も明日の事は解らない。
翌日の誕生日を前に「明日でおいくつですか」と記者が質問すると「明日の事は解んないんだな」と山下画伯の名回答もあることだ。
だから今買うべきかもしれないが、もう少しこれは 待つことにした。10年後にも何処かに残っていればそれは縁と云うものだろう。
さて、デッカは専用アームを使ってこそ実力を発揮すると聴いている。
だとすると、MKシリーズで大凡5~6万、アームが2万~10万位する。
ターンテーブルもガラードが良いとなると一度手放したものを再び買うという愚かを犯さねばならず、これは敬遠したが、MKVを某所からお借りして暫く試聴する機会を得た。何に限らず英国の音は品がいい。このデッカを深追いしてみるか、此処は非常に迷ったところだったがガラードの件が癪なのでここは止まった。
最後に残ったのがエラックである。STS-455と555等が良いようだ。
無論中古しかないので探したが余り出ていない。
交換針は新品純正で1~2万位で探せばまだある。
やっと見付けて455を僕は買った。
全体に音の輪郭が甘いように感じたが音質は非常によく、好きな音だった。
新藤バージョンには及ばないがレコードで音楽を聴く事に何の支障もない。
特にクラシック系が良いように思った。ドイツのこうした技術レベルの高さをまざまざと見せ付けられたような気がする。
アメリカや日本の音造りは概して品性に欠ける物が多い。イギリスやドイツの音造りには品性が宿っている。それを音の教養と言い換えてもよい。どうやってこれを造るのか僕などに解るわけがないが、そこが決定的に違う事は確かだ。
GARADOは自ら万能と謳っているが明らかにクラシックには向かず、ジャズやロック向きである。都はるみもきっと良いだろう。
だから、この二つがあれば通常の「良い」という以上の音が楽しめる事は確かだ。しかし僕は新藤バージョンを35年間聴いてきた。満足出来ないのである。
約まるところこういうことか、これ以上は探しても無駄かと思った。
ところがあった。古いエラックである。
エラックが日本に輸入される前の型に、STS-200、同210、220、222、240、300、322、330、モノのMST-2Aといった。50年代後半から60年代にかけてのカートリッジ群があるが、その中のSTS-200と322、モノのMST-2Aが立て続けに手に入った。
ステレオの両者を比較すると僕は322の方が好みだった。針は0.5ミル、今回は入手しなかったが姉妹機の222には0.7ミルの針が付いているそうだ。クラシックには322がよいだろうとのアドバイスを入れて322にしたが、このカートリッジは素晴らしい。
低音から高音までのバランスは抜群、力強く且つ繊細、ハスキルのピアノをちゃんとハスキルのピアノで聴く事が出来る。新藤バージョン以来やっと満足のゆく カートリッジに巡り合った。厳密に言うとやはり新藤バージョンの方が音が綺麗かもしれないが、クラシックもジャズも両方見事に鳴らすカートリッジは、そう そうあるものではない。MMだから昇圧トランスもいらないので経済的でもあり、交換針はまだしっかり供給源があるというのも有難い。(しかし、針の出来に ばらつきがあるので要注意、またオリジナルの針はマグネットの磁力が減少している物やダンパーがいかれている物が多いとのことなのでこれも要注意、必ず一 回聴いてから入手することをお勧めする。)
更にモノのMST-2Aがまた素晴らしい。バリレラの出番はこれで完全になくなってしまった。
MMカートリッジにも恐るべき物があった。僕はずっと馬鹿にしていたが知らなかっただけだった。
AKGなどもあって古いタイプを絶賛する人も多いが、針交換に苦労しそうなのでこれも外した。
滅茶苦茶に高値をふっかけられたり、音が変わったり、基本的に針の摩耗を心配しながら聴くのは嫌だから、二度と出ないビンテージ物には手を出さない事にして いる。もう少しジジイになってこっちの寿命の方が短いと予測できるようになればAKGも聴いてみようが。尤も明日の事は解らない。
翌日の誕生日を前に「明日でおいくつですか」と記者が質問すると「明日の事は解んないんだな」と山下画伯の名回答もあることだ。
だから今買うべきかもしれないが、もう少しこれは 待つことにした。10年後にも何処かに残っていればそれは縁と云うものだろう。
さて、デッカは専用アームを使ってこそ実力を発揮すると聴いている。
だとすると、MKシリーズで大凡5~6万、アームが2万~10万位する。
ターンテーブルもガラードが良いとなると一度手放したものを再び買うという愚かを犯さねばならず、これは敬遠したが、MKVを某所からお借りして暫く試聴する機会を得た。何に限らず英国の音は品がいい。このデッカを深追いしてみるか、此処は非常に迷ったところだったがガラードの件が癪なのでここは止まった。
最後に残ったのがエラックである。STS-455と555等が良いようだ。
無論中古しかないので探したが余り出ていない。
交換針は新品純正で1~2万位で探せばまだある。
やっと見付けて455を僕は買った。
全体に音の輪郭が甘いように感じたが音質は非常によく、好きな音だった。
新藤バージョンには及ばないがレコードで音楽を聴く事に何の支障もない。
特にクラシック系が良いように思った。ドイツのこうした技術レベルの高さをまざまざと見せ付けられたような気がする。
アメリカや日本の音造りは概して品性に欠ける物が多い。イギリスやドイツの音造りには品性が宿っている。それを音の教養と言い換えてもよい。どうやってこれを造るのか僕などに解るわけがないが、そこが決定的に違う事は確かだ。
GARADOは自ら万能と謳っているが明らかにクラシックには向かず、ジャズやロック向きである。都はるみもきっと良いだろう。
だから、この二つがあれば通常の「良い」という以上の音が楽しめる事は確かだ。しかし僕は新藤バージョンを35年間聴いてきた。満足出来ないのである。
約まるところこういうことか、これ以上は探しても無駄かと思った。
ところがあった。古いエラックである。
エラックが日本に輸入される前の型に、STS-200、同210、220、222、240、300、322、330、モノのMST-2Aといった。50年代後半から60年代にかけてのカートリッジ群があるが、その中のSTS-200と322、モノのMST-2Aが立て続けに手に入った。
ステレオの両者を比較すると僕は322の方が好みだった。針は0.5ミル、今回は入手しなかったが姉妹機の222には0.7ミルの針が付いているそうだ。クラシックには322がよいだろうとのアドバイスを入れて322にしたが、このカートリッジは素晴らしい。
低音から高音までのバランスは抜群、力強く且つ繊細、ハスキルのピアノをちゃんとハスキルのピアノで聴く事が出来る。新藤バージョン以来やっと満足のゆく カートリッジに巡り合った。厳密に言うとやはり新藤バージョンの方が音が綺麗かもしれないが、クラシックもジャズも両方見事に鳴らすカートリッジは、そう そうあるものではない。MMだから昇圧トランスもいらないので経済的でもあり、交換針はまだしっかり供給源があるというのも有難い。(しかし、針の出来に ばらつきがあるので要注意、またオリジナルの針はマグネットの磁力が減少している物やダンパーがいかれている物が多いとのことなのでこれも要注意、必ず一 回聴いてから入手することをお勧めする。)
更にモノのMST-2Aがまた素晴らしい。バリレラの出番はこれで完全になくなってしまった。
MMカートリッジにも恐るべき物があった。僕はずっと馬鹿にしていたが知らなかっただけだった。
続く 2010.08.23